レッスンは期間中、毎日朝から晩まで行われた。各自のレッスンはそれぞれ一時間だったが、それ以外は、他の人が受けている公開レッスンを、少しでも多く聴講していた。
ピアノだけでも、ヨーロッパ各国、アメリカ、ロシア、ポーランドなど様々なところから先生が来られていて、また、それぞれがとても個性的なので、そういった先生方一人一人のクラスを聴講することはとても有意義だった。
セミナーではピアノ以外にも、弦楽器、管楽器、声楽、室内楽など様々なレッスンをのぞくことができた。 講師の先生方で組んで、室内楽の演奏会が催されたりもしていた。こうやって自分の専門外の視野を広げられるのも、こういった夏期講習の特徴であると実感していた。
音楽は生きものだ。一人で練習しているだけでは決して得られない、実際の現場でしか味わえない、非常に貴重な体験であった。
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緊張は日を追うごとにほぐれ、周りの学生達とも少しずつ打ち解け、一緒に昼食を食べたりレッスン後のお茶を飲んだりする仲間ができてきた。
もう一人じゃない。
世界中から集まり、同じ目的を持って頑張っている仲間たちは、ライバルにも、良き理解者、良きアドバイザーにもなった。
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そんな音楽漬けの2週間はあっという間に過ぎていった。
気がつくと、観光も音楽祭もどこへやら、美しい景色を横目でチラリと見ながら、ひたすら宿とモーツアルテウム音楽院の往復に明け暮れる夏休みといった感じであった。
・・・鳥のさえずりで始まった朝は、レッスンで疲れきった夜で終わっていった・・・
≪世界の音楽セミナー≫
モーツァルトの音楽は、高音域の周波数帯を多く含んでいることで世界的に注目されています。この高周波音は、交感神経が優位になりすぎて自律神経のバランスを崩しがちな現代の日常において、交感神経にブレーキをかける副交感神経の作用を促し、心身を安らぎの状態へと導いてくれます。なので、モーツァルトの音楽は、体の緊張をほぐし感覚を安定させたり、ストレスを減らし感受性を豊かにするなど、我々の心とからだの健康に大きく貢献してくれるのです。もっと読む