クラシック音楽と脳との関係を科学的に考える事は、目に見えない音楽が、人の身体や心に及ぼす影響について、客観的に理解するヒントになると思う。
しかし、脳を通して与えられる力だけでなく、クラシック音楽にはもっと大きな力があると思う。
その一つは、私たちの心や感情に共感する力だ。
共感する力
私たちの日常には、自分たちが意識している以上にクラシック音楽が密接に関わっている。
TVや映画、カフェやレストラン、店、病院や歯医者、またフィギュアスケートやダンスなどの演技など、様々な場所やシチュエーションで耳にする機会が多い。
それは、演出を華やかにドラマティックにするものであったり、落ち着いてなごやかな雰囲気作りのためであったり、不安や痛みを和らげるものであったりと、効果はそれぞれ異なるものの、そこに音楽が流れていることで、より気持ちが高まったり、逆に安定したりする。
その場を共にしている人々の間にも共感する気持ちが生まれる。
私たちがクラシック音楽を聴くときも、楽しい時は、明るくて軽快な音楽を、悲しい時は、メランコリックなメロディを、くつろぎたいときはゆったりとした静かな音楽を・・といったように自分の気分や体調などに合わせて曲を選ぶ事が多い。
それは、その曲がその時の自分の心に共感を与えてくれるからだ。
様々なシーン
クラシック音楽には、人間を始め、生物に自然と働きかける力が根本的に存在する事は、脳との関係から見て取れるが、その上に、伝統や文化として、人々が受け継ぎ、発展させてきた長い長い歴史がある。
精神の支えとしての宗教音楽、美しさと華やかさを誇るサロン音楽、様々な民族の生活に密着した民族音楽。。
様々なシーンで人々の生活にとけ込みながら時代とともに生き、時代や国を超えて、今も受け継がれているクラシック音楽には、人々の心、生き様が詰まっている。
それは、祈りであり、喜びであるとともに戦いでもある。そこには、喜びや楽しみ、苦悩や絶望が刻み込まれているのだ。
〜次章「共感する音楽と心 2 」へ続く
「クラシック音楽とともに暮らす」シリーズ
piaVie!~ピアヴィー!では、ピアノを通して、忙しい日頃のストレスから解放された、音楽に包まれるひとときを過ごして頂きたいという思いでレッスンをさせて頂いております。マン・ツー・マンの個人レッスンですので、ご自分のペースに合わせたレッスンを受講していただけます♪