ピアノが歩んだ道 1

 クラシック音楽が長い時代を経て受け継がれてきた中で、

 

バトンタッチされた次の時代の人々は、

 

先代から受け継いだ音楽を大切に守り、学びつつも、

 

その時代ならではの楽しみ方や技術の向上など、

 

さらに次の時代へ渡していく上での革新的な発展をもたらした。

 

クラシック音楽が、ただ昔から伝わる古い伝統音楽に留まらず、

 

いつの時代にも人々の暮らしに溶け込む事ができたのは、

 

古いものの中から、常に新しいものを生み出してきたからではないかと思う。

 

 

今回は、ピアノが歩んで来た道を辿ってみよう。

 

 

バッハ~モーツァルトのころの鍵盤楽器

ピアノが初めて歴史上に登場したのは、1700年代のイタリア。

 

B.クリストフォリによって製作された。

 

しかし、この時代の鍵盤楽器と言えば、

 

チェンバロ、クラヴィコード又はオルガンが主流であった。

 

ピアノを学ぶ者にとって、「バイブル」とも呼ぶべき

 

バッハの平均律クラヴィーア曲集

 

今では当たり前のようにピアノ作品として演奏されているこの曲集も、

 

ピアノ作品としてではなく、

 

当時の鍵盤楽器(チェンバロなど)のために作られ、演奏された。

 

 

モーツァルトが活躍した18世紀後半、

 

ピアノ製作は、ウィーンを中心に盛んになるが、

 

その当時のピアノは、フォルテピアノと呼ばれ、

 

現代のピアノとはかなり異なっていて、

 

音域も狭く、音量もなく、足で踏むペダルもないものだった。

 

モーツァルトのピアノ・ソナタは、

 

このフォルテピアノで作曲された。

 

ベートーヴェンとピアノの進化

18−19世紀にかけて、ピアノは目覚ましい進化を遂げた。

 

現代のピアノの原型である、いわゆるモダン・ピアノの登場と発展には、

 

ベートーヴェンを始めとする作曲家とピアノ製作者の、

 

互いに刺激し合い、試行錯誤しあった関係を抜きに語る事はできない。

 

作曲家が求める音や表現に製作者が応えようとしてより良い楽器を作り、

 

できあがったピアノに刺激されて新たな音楽の世界を作り出すという関係の中で、

 

ピアノはさらに改良され、洗練されていった。

 

モダン・ピアノの製造技術の革新は、

 

イギリスのブロ−ドウッド社を中心に行われた。

 

 

ベートーヴェンの32曲のピアノ・ソナタを年代順に追っていくと、

 

ベートーヴェンの作曲スタイルの変化とともに、

 

ピアノという楽器の可能性が広がっていく様子を見て取る事ができる。

 

現代のピアノはブロードウッド社の技術によって完成されたが、

 

ピアニストにとって、最も重要な

 

バッハの平均律曲集

 

モーツァルトのピアノ・ソナタ集

 

ベートーヴェンの32曲のピアノ・ソナタ

 

の大半が、

 

現代のピアノが完成される「以前」に、

 

既に作られていた事を忘れてはならない。

 

 

〜ピアノが歩んだ道 2へ続




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