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シベリウス 「樅の木」(5つの小品 作品75より第5曲)【改訂版】


クリスマスまであと数日となり、今年も街にはイルミネーションが輝き、あちらこちらに美しいクリスマス・ツリーが飾られています。

NYのロックフェラーセンターのダイナミックで豪華なツリーも見事ですが、ドイツの古い石造りの街並みに、「永遠の命の象徴」とされる瑞々しい緑の葉をつけたモミの木が堂々と立つ姿もとても新鮮で美しい光景です。

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フィンランド出身の作曲家、"ジャン・シベリウス"は、”5つの小品 作品75”の中の”第5曲”「モミの木」をテーマにした曲を作りました。"5つの小品"は、1つ1つの曲の全てに樹木の名前がつけられていることから、「樹の組曲」とも言われています。

 

「モミの木」は、常緑樹で、一年中、葉が枯れることなく青々と茂り続けることから、「永遠の命」の象徴とされていて、クリスマス・ツリーにも使われるようになったそうです。

 

しかし、シベリウスは、クリスマス・ツリーの華やかなイメージではなく、

 

長く厳しい冬の大地に根を張り、

 

風雪に耐えながら、

 

緑の葉を絶やすことなく立ち続ける

 

「モミの木」の力強い姿

 

を表現しています。

 

短い小品ではありますが、ミステリアスなアルペジオで始まる序奏の後、憂いをたたえつつも、深く力強く歌うテーマが始まります。

 

中間部はcadenzaのような長いアルペジオのパッセージが続き、まるで厳しい風雪がモミの木に吹きつけているかのようです。

 

しかし、再びテーマが戻ってくると、堂々と立つモミの木の姿がよみがえってきて、演奏を終えた後には、不思議と心が温まるような余韻が残ります。

 

和音やアルペジオが美しく織りなされ、洗練された、大人の方にふさわしい一曲と言えるでしょう。

 

 "森や湖に囲まれた自然豊かな国"、"世界で一番幸福な国"、"サンタクロースの住む国" ”フィンランド"… まだ見ぬ国へのあこがれを抱きつつ、モミの木」を奏でながら、北欧の独特な響きを楽しんでみられてはいかがでしょうか?

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シベリウス:作品75 樹木の組曲より第5曲「樅の木」 演奏:舘野 泉





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