
長く個人レッスンを続けていると、生徒さん一人一人の個性や、
練習のペース、曲の好みなどがわかってきます。
逆に、習う側も、先生の個性や、音楽観、弾き方や音にまで影響を
受けるものです。
レッスンを再開されて、もう10年以上経つ生徒さんがいらっしゃいます。Pavaneさん(仮名)は、大学生になる前までピアノを習っていて、その後長いブランクの後にpiaVie!でレッスンを再開されました。
再開された当初から、既にご自分でいろいろな曲を譜読みし、弾きこなす実力をお持ちで、練習もとても熱心に励んでおられました。
しかし、最初の頃、苦労されていたのが"オクターブ"です。いっしょうけんめい手を広げるのですが、
どうしても、パッとオクターブをつかめず、前後の音を一緒に弾いてしまうのです。
オクターブの連打が続くリストの曲など、どうしてもうまくいかず、悔しそうにしていらっしゃいました。
でも、あきらめるのではなく、その時は、少し音をバラしながら弾くなど工夫しながら、曲を完成させていきました。
その後も、様々な作曲家の作品に挑戦され、バッハやベートーヴェン、シューマンなどのドイツの作品、
ショパンやリスト、ドビュッシー、ラヴェルなどのフランスの作品、ラフマニノフ、スクリャービンなどの
ロシアの作品など、振り返ってみるとpiaVie!でレッスンを再開されてからこれまでに、”50曲以上”もの曲を
弾いてこられました!
その時その時の、ご自分の弾きたい曲、挑戦したい曲を選んで、課題に直面しながらも焦らずに
一曲一曲を大切に学んでいらっしゃる姿が印象的でした。
さて、現在もショパンのバラードやシューマンのクライスレリアーナなど、難曲に取りくんでおられる
Pavaneさんですが、先日のレッスンで、「ショパンのバラード 第1番」を弾かれていた時の事です。
バラードの1番では、中間部に、オクターブでメロディーを歌い上げるブリリアントなフレーズが
ありますが、オクターブの連打と和音が続き、テクニック的に弾きこなすのがとても難しい箇所です。
Pavaneさんは、前半をきれいに弾きこなし、次第に曲は盛り上がってオクターブの箇所がやってきました。
「・・あれ?」
きちんと音がつかめて、きれいに歌えているではありませんか!
聴いていた私も、あまりに自然で、当然の事のように聴き流してしまいそうになったぐらいです。
長年の努力とピアノを弾き続けてきた時間の中で、少しずつ指が動くようになり、手が広がるようになり、
一番弾きやすい指のフォームを見つけていくうちに、以前は不可能に思えた事が知らぬ間に克服できて
いたのでした。
長いブランクがあると、以前は弾けていたものが弾けなくなっていたり、弾きたい曲が思うように
弾けなかったりして焦ったり失望したりすることもあると思います。・・ですが、大人になってからの
ピアノのレッスンには期限はありません。曲の学び方も一人一人違います。
”時間をかけながら、人と競争する事なく弾き続けていく事ができるのです。”
まずは、自分が今弾ける範囲で良いのです。弾き始めてみましょう!難しい箇所にぶち当たっても
焦ることはありません。練習をすれば比較的短期間で弾けるようになる事もあれば、
何年もかかる事もあります。
自分が今できる努力をしながら様々な曲を弾いていくうちに、知らず知らずにテクニックや表現方法を
身につけていかれるでしょう。
そして、ある日気がつくと、
”弾けなかった箇所が弾けるようになっている!”
という嬉しい発見がある事でしょう♫
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