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枯葉〜ドビュッシー 前奏曲集 第2巻 第2曲

 今年はクロード・ドビュッシーの没後100周年ですね。

 

クラシック音楽の中でドビュッシーの作品と言うと近代的で新しいイメージですが、そのドビュッシーが亡くなってからもう100年も経つなんて・・・

 

時代を超えても今もなおドビュッシーの響きは新鮮さを失っていないという事は本当に驚くべき事です!

 

そしてクラシック音楽が『音』という形のない存在でありながら、時を超えても受け継がれ、いつの時代も人々の心に深い共感と感動を与えているという事に、人間の力では計りしれない大きな力を感じます。

 

ドビュッシーといえば、《月の光》や《亜麻色の髪の乙女》があまりにも有名ですが、今日はガラリと違った雰囲気の曲をご紹介しましょう。

 

前奏曲集第2巻の第2曲に収められている

《 枯葉~Feuilles mortes 》

 

晩秋にぴったりの曲です。・・・が、哀愁を帯びた切ないメロディーが歌いかけてくるような事はありません。謎めいた和音の響きで始まり、謎めいた余韻を残したまま終わっていきます。

 

3分ほどの短い曲ですが、曲中のほとんどで ”オクタトニック” という音階を使用しているため、複雑な響きを持ち、調性もあいまいです。また、五音音階の使用も多く見られます。楽譜も3段譜となっているため、見ているだけで頭が混乱してきそうです。

 

音域も広く、様々な音域からメロディーや和音が聞こえてきます。譜読みをして和音を鍵盤で押さえてみても 「???この音で良いんだろうか?”」と迷ってしまうかもしれません。

 

テクニック的にはあまり難しい箇所はなく、テンポも遅い曲ですが、簡単にその姿を現わしてはくれません。”譜読み(曲の世界をつかむ)" にはチャレンジが必要でしょう。

 

どうしても譜読みに行き詰まった時は、CDなどでピアニストの演奏を聴いて参考にしてみましょう。

 

「自分の弾いている音が間違っていないか」、「 和音の響きはこれで良いのか? 」 などを ”耳” で確認しながら”目” で楽譜を追って確認していく事で、曲全体のイメージがつかめてくる事でしょう。

 

曲の世界を知り、複雑な響きの醸し出す幻想的な美しさの中に見られる斬新さを実感された時、

 

晩秋の季節 舞い散る枯葉のように 〉人生の儚さを歌う神秘的なドビュッシーの世界

 

を感じ取る事ができるでしょう。

 

そこはかとなくjazzの雰囲気が感じられるような・・・

 

散りゆく枯葉に新しい響きを託し、次の時代へと受け継がれる作品を残したようにも思えるのです。

 

ぜひ”弾いて””聴いて”、独特なドビュッシーの世界を堪能してみて下さいね!

 

どうしても一人では難しい・・・そんな時こそレッスンに足を運んで見られる事をお薦めします!😊


※オクタトニック(スケール)とは?:

全音と半音を交互に積み重ねた8つの音を使って音階にしている。通常は7音なので、より密度の濃い響きとなる。同じパターンの積み重ねであるためにつかみ所のない抽象的な感じがする。ジャズで使用される事がある。

  • ☆通常のスケール:C − D −E - F - G - A - B(H) - C  (全-全-半-全-全-全-半)
  • ☆オクタトニック:C - Db(C#) - Eb(D#) - E - Gb(F#) - G - A - Bb(A#) - C  (半-全-半-全-半-全-半-全)

※五音音階とは?:

ペンタトニックスケールとも呼ばれる。1オクターブに5つの音が含まれる音階。スコットランド民謡などに現れる。日本の民謡などでも使用されている。5音の配列法により、種類も多様であるが、最も一般的なものは"全音階的五音階”であり、3つの全音程と2つの短3度によってできている。

  • ☆ペンタトニックスケール:C - D - E - G - A

※前奏曲集について:

ドビュッシーの作曲した前奏曲は全24曲”前奏曲集第1巻””前奏曲集第2巻”に各12曲ずつ収められている。第1巻は1910年、第2巻は1913年に完成された。

 

バッハの”平均律クラヴィーア曲集”やショパンの”24の前奏曲”などと同様に、24曲から成る前奏曲集であるが、24の調を用いて各曲が作曲されたわけではない。

 

ピアノのための小品集ではあるが、作曲語法の様々な試みや音楽的な美しさにおいて、ドビュッシーの後期における最高傑作と言える。

 

☆第1巻

1909年12月〜1910年2月にかけて、約2ヶ月集中的に作曲された。古代ギリシャ、イタリア、スコットランド、スペイン、イギリス、アメリカ、フランスなど、異国的、魅力的な作風を持つ作品。演奏者は好みの前奏曲を取り上げて演奏する事ができる。

 

☆第2巻:

1911年末から1913年初めにかけて作曲された。第1巻とは対照的に、幻想的な雰囲気が満ち溢れる独創性と革新性に満ちた作品リサイタルにおいては全12曲を演奏する機会が多い。また、全12曲ともに3段譜が駆使されているのも特徴的である。

 


お薦めの演奏(CD):

 

アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ

”ドビュッシー前奏曲集第2巻”

研ぎ澄まされた音が大変美しく、

忠実にドビュッシーの世界を表現している。

 

  1. 0:08  Brouillards
  2. 3:20  Feuilles mortes
  3. 7:13 La Puerta del Vino
  4. 11:55 Les Fées sont d'exquises danseuses
  5. 15:23 Bruyères
  6. 18:40 Général Lavine - excentrique
  7. 21:44 La terrasse des audiences du clair de lune
  8. 26:42 Ondine
  9. 30:36 Hommage à S. Pickwick Esq. P.P.M.P.C.
  10. 33:30 Canope
  11. 36:46 Les tierces alternées
  12. 39:46 Feux d'artifice

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